
ガルバリウム鋼板とは
ガルバリウム鋼板屋根は、軽さとカバー工法工事が可能なことにより近年非常に人気が高い屋根材です。
ガルバリウム鋼板とは、米国のベスレヘムスチール社が開発したアルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板です。めっき組成は、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%です。
ガルバリウム鋼板の特徴
- 耐久性と防錆性…ガルバリウム鋼板は鉄や亜鉛メッキ鋼板よりも錆に強く長期間にわたり劣化しにくい。マグネシウム添加の改良により防錆性を高めた製品もある。
- 軽量性…ガルバリウム鋼板は非常に軽量。
- デザイン性…ガルバリウム鋼板はカラーバリエーションが豊富。またモダンなデザインからクラシックなものまで、幅広い建築スタイルにマッチし、デザインの自由度が高いです。
- 耐震性…ガルバリウム鋼板屋根は軽量のため地震に強い。
- 耐風性…ガルバリウム鋼板屋根はしっかりした施工がされていれば強風に強い。
- 緩勾配への対応力…ガルバリウム鋼板屋根は屋根勾配0.5/10以上あれば可能(縦葺き)。
- 低い防音性…裏面に断熱材が付いた製品を選ぶ、空気層のある製品を選ぶなどで対応可能。
- 低い断熱性…裏面に断熱材が付いた製品を選ぶ、空気層のある製品を選ぶ、換気棟を取り付けるなど断熱対策を行う。
- 低い防露性…屋根材の下に空気層のない製品では結露が発生しやすい。
ガルバリウム鋼板屋根材の種類
横葺き

- ガルバリウム鋼板を屋根の軒先に対して横方向に並べて設置する方法です。
- 板金が横方向に連続することで、水平のラインが強調され、シンプルでモダンなデザインを実現できます。
- 化粧スレート屋根のカバー工法用の屋根材として最適です。
- 取付方法に、一般的な嵌合工法とデクラ社のインターロック工法があります。インターロック工法の場合、取外しや交換が容易にできます。
立平葺き

- 縦方向に長くガルバリウム鋼板を並べて施工する方法。
- 屋根の軒先から上端まで455mmもしくは333mm間隔の継ぎ目が作る直線的でシャープなラインが特徴的です。
- 長尺の1枚板で軒先から棟までをカバーするため、防水性が非常に高く、緩い勾配でも対応可能です。
- 心木を用いないため、瓦棒葺きと違い隣のガルバリウム鋼板とは嵌合式やハゼ締めで連結されます。
瓦棒葺き(桟葺き)

- 古くからある亜鉛メッキ鋼板屋根でも用いられた工法です。立平葺きと同様、縦方向に長尺のガルバリウム鋼板を並べて施工します。
- ドブ加工をした板と板を接続部の心木に固定し、心木の先端部をサンバナで包み、さらに心木を包み込むように合羽で包みこみます。
- 木製の心木が経年により腐食してしまうリスクがあります。
小波板金(波トタン)

- 波形に加工された鉄板を使用した屋根材で、昔から住宅や倉庫、工場などで広く使用されている形状の素材です。
- 他の屋根材に比べて安価です。比較的簡単に施工できるため、コストを抑えたい場合に適した選択肢です。
- 遮音性能や断熱性能が低いことがデメリットです。
ガルバリウム鋼板屋根工事
ガルバリウム鋼板屋根工事の全面張替えは、葺き替え工事とカバー工法工事の2種類になります。またガルバリウム鋼板屋根の修理工事はケースバイケースのため、状態確認のうえ屋根材に合わせ都度対応します。
葺き替え工事
- メリット
- 既存屋根材が何であっても可能
- 既存屋根材より軽くなる
- 野地板の状態を確認できる
- デメリット
- 既存屋根材解体工事及び廃材処分の費用と時間がかかる
- カバー工法と違い屋根材が2重でないため熱や音が伝わりやすい
- カバー工法と違い屋根材が2重でないため防露性が低く結露が発生しやすい
カバー工法工事
- メリット
- 既存屋根材解体工事及び廃材処分の必要がないため費用と工期を抑えられる
- 屋根材が2重になるため防水性、防露性が高まる
- デメリット
- 施工可能な既存屋根材が限られる(化粧スレートなど)
- 既存の屋根より重くなる
- 野地板の状態が確認できない