正式な契約の前にもう一度確認すべきこと
屋根工事を依頼する際、契約前に確認すべき重要なポイントは以下の通りです。これらをしっかり確認することで、トラブルを未然に防ぐことができます。
- 見積は適正か?
- 複数社の見積もりをとって比較した場合、金額は許容の範囲内か?
- 見積内容は明確で適正か?漏れはないか?過剰はないか?
- 信頼できる工事をする会社か?
- 所在地、連絡先は明確か
- 工事の実績は十分にあるか?
- 許認可や資格はあるか?
- 工期とスケジュール
- 工事開始日と終了予定日は明確か?
- 雨天や予期せぬトラブルが発生した場合の対応は?
- 契約の内容
- 契約書の内容は適切か?
- 工事後について
- 工事後の保証があるか?保証期間、範囲は?
- 工事後のアフターケアは?
- 近隣への配慮
- 事前の近隣挨拶はあるか?
- 工事中の騒音やゴミ処理についての配慮は?
これらのポイントを事前に確認し、疑問点があれば必ず質問し、納得した上で契約を進めましょう。
1式工事について
歩留まり(ぶどまり)と材工工事(ざいこうこうじ)
材料には決まった大きさ・長さがあります。また購入の最低数が決まっているものもあります。材料はカットして使われるので全てが使われるわけではありません。また購入した材料を全て使い切るわけでもありません。購入した材料に対し使用する材料の割合を歩留まりといいます。
材料をカットして実際に使用する部分が少なくなると、歩留まりが悪くなります。また購入できる最低数に対して実際に使う数が少ないと、歩留まりが悪くなります。小さな工事の場合、歩留まりが非常に悪くなるため、数量で表示できません。例えば2mの材料の50㎝だけ使用する場合、見積表示で0.5m×単価の金額では実際に施工できません。工事によっては、こうした材料を数種類使用することもあります。このようなケースでは材工工事(材料と工賃を合わせて)1式、○○○○円という表示をします。
数量計算
見積もりには面積や長さといった数量が記載されています。この数量と単価の掛け算の結果の積み上げで、見積もりはできています。この数量が正しいかどうか、納得いく根拠があるかどうかは、見積もりを見るうえで非常にたいせつです。数量は屋根伏図などを元に計算します。
屋根伏図
お客さまに写させていただいた建物図面や現場調査から、屋根伏図(上から見た屋根の図面)を作成します。
屋根勾配
- 屋根の斜めの角度を屋根勾配といいます。水平方向10に対して、垂直方向にいくつ立ち上がるかで表します。瓦屋根の場合、4/10勾配(4寸勾配とも言う)~5/10勾配(5寸勾配)が一般的です。
- 屋根面積、ケラバ(屋根の端の斜めの部位)や隅棟(隅に向かって斜めに伸びる棟)の長さなどを求める際に、勾配を知る必要があります。勾配によって屋根伏図で求めた面積や長さに掛ける数値(勾配伸び率、隅棟伸び率)が変わります。勾配が緩いと屋根面積は小さく、勾配が急だと屋根面積は大きくなります。
勾配伸び率表

計算例

左の屋根の屋根伏図は、右の図のようになります。
■屋根面積を求める
まずは屋根伏図上の平面的な面積を求めます。
13m×10m=130㎡
平面の面積に屋根の勾配伸び率を掛けると屋根面積が計算できます。
4寸勾配(4/10勾配)の勾配伸び率は上の勾配伸び率表より1.077です。なのでこの屋根の面積は、
130㎡×1.077=140.01㎡
■隅棟の長さを求める
図yが隅棟です。こちらの長さを求めるには、水平流さ5mに4寸勾配の隅棟伸び率1.47を掛けます。また流れ長さ(図X)が分かる場合は「流れ長さに対して」の隅棟伸び率1.365を掛けます。
5m×1.47=7.35m
隅棟は4本あるので、
7.35m×4=29.4m