屋根修理工事の注意点

屋根修理工事の費用の目安は…こちら

屋根修理工事は千差万別。数分で終わる工事から数週間にわたる工事まで、規模や工期、工事費用もさまざまです。工事が終わってから「ここも見てもらえばよかった」とか、反対に「ここまで大きな工事は必要なかったのでは」などと思わなくて済むように、事前に注意点を押えておくことが大切です。

屋根材の種類に合わせた修理

屋根材によって修理の方法や必要な材料が異なります。たとえば、スレート、瓦、金属屋根などがあり、それぞれに適した工法やメンテナンスが必要です。修理業者があなたの屋根材に詳しいかどうか確認しましょう。特に和形瓦は専門技術を要するので、注意が必要です。

信頼できる業者の選定

屋根修理は専門知識と技術が必要です。不十分な修理は後々大きなトラブルになることもあります。もともと信頼できる業者を知っていれば一番よいのですが、知らなければ業者を選定することになります。業者選定の際には、以下の点に注意してください。

  • 過去の実績
  • 評判や口コミ
  • 資格や免許
見積もりと契約内容の確認

見積もりや契約の内容を確認し、特に以下の点をチェックします。信頼できる業者を選定する場合は、事前に複数の業者から見積もりを取り、価格だけでなく内容も比較しましょう。

  • 工事の範囲
  • 使用する材料
  • 工期
  • 保証内容
近隣あいさつ

屋根工事の規模にもよりますが、音や埃などにより近隣に迷惑をかけしてしまうこともあります。工事内容により必要に応じて近隣へのあいさつをすることで、工事完了までスムーズな工事を行えます。

弊社では、必要に応じて近隣あいさつの挨拶状を作成いたします。弊社担当者単独、お客さま単独、弊社担当者同行と、ケースバイケースで近隣あいさつのご協力をさせていただきます。おすすめは、弊社担当者がお客さまに同行する方法です。

天候の確認と調整

屋根修理は天候に大きく影響されます。雨の日には工事が進まないことも多いため、工事のスケジュール調整が必要です。また、自身の工事日に雨が降らなくても、前日以前に雨が降った場合は他の工事が影響を受け、工事がずれることがあります。

瓦屋根の修理

割れた瓦の交換工事
  • 和形瓦、S形瓦はJIS規格で大きさや形状が同じものが使用されていることが多いので、その場合は差し替えての交換を行います。ただし色については、年数が経っている場合は、現状と全く同じ色は用意できないとお考え下さい。
  • F形などデザインに特徴がある瓦は、製造中のものはよいのですが、製造中止になってしまったものは卸問屋を通じて在庫を探し出すか、中古を探すか、あるものを加工するしかありません。
  • 平部は容易に交換可能ですが、棟や壁際の瓦の交換には少し手間がかかります。
  • 交換工事の際は、同時に目視による全体的な点検とズレ修正を行うのがよいでしょう。
和形瓦の棟瓦積み替え工事(旧工法・ガイドライン工法でない)
  • 経年により歪んだ段積みの棟を放置しておくと雨漏りの原因となります。
  • 歪んだ棟を解体して、真っすぐに積み直します。
  • 瓦の状態により既存の瓦を使用する場合、新たな瓦を使用する場合があります。
  • 南蛮漆喰と銅線を用いた旧工法で棟瓦を固定します。
  • 面戸は漆喰できれいに仕上げます。
  • 大棟と隅棟の段数の差は2段以上設けないと、隅棟上部と大棟の接する部分が上手く納まりません。大棟丸共4段、隅棟丸共3段積みの場合は、積み替え工事の際には大棟を5段にします。
瓦屋根の棟工事(ガイドライン工法に準ずる)
  • F形、S形、和形シンプル工法の棟は、冠瓦のみ構成されています。
  • 経年で棟が歪んでしまうと雨漏りの原因となります。
  • 冠瓦を積替える際はガイドライン工法に準じて、強力棟金具に棟心材を固定し、冠瓦を心材にビス留めして固定します。
本谷板金交換工事
  • 銅製の本谷板金を使用している場合、経年により穴が開きそこから雨漏りする場合があります。
  • 耐久性の高いステンレス製の本谷板金に交換します。
漆喰塗り替え工事
  • 棟瓦と土居のし瓦の漆喰面戸は、経年によりひび割れや剥がれが見られるようになります。そのまま放置すると雨漏りの原因となります。
  • 既存の漆喰及び土を取り除き、新たに南蛮漆喰で固定し、表面を漆喰で仕上げます。南蛮漆喰と漆喰で重ねて仕上げることにより、耐久性が高まります。

化粧スレート屋根の修理

棟包み板金の交換工事
  • 化粧スレート屋根で最も修理の可能性が高いのが、棟包み板金の交換工事です。
  • 棟に下地板を取付け、その下地板に棟包み板金を固定します。固定にはステンレス製リング釘を使用していることが多いです。
  • 経年により下地板が劣化したり、釘が浮いて外れてしまうと、棟包み板金が浮いたり外れたりしてしまいます。雨漏りの原因となるので、早急な工事が必要となります。
  • 下地板と棟包み板金を取付けなおします。
割れた化粧スレートの交換工事
  • スレーターズリッパーという道具を使って割れた化粧スレートを1枚単位で取外します。
  • 新しい化粧スレートをシリコンコーキングで固定します。
  • ただし年数の経った化粧スレート屋根は、下葺材が屋根材の裏側に貼り付いてしまっていることがあります。取外した化粧スレートに下葺材が貼り付いていた場合、下葺材を破ってしまうことが考えられます。下葺材に破れが生じると、そこから雨漏りを引き起こしてしまう可能性があります。
  • 化粧スレート屋根材や下葺材の経過年数によっては、葺き替え工事をおすすめします。
雨漏り修理工事

化粧スレート屋根の雨漏りは、原因を突き止めるのが非常に難しい場合があります。外見上あきらかに破損が見られるのであれば原因を特定するのは容易ですが、外見上は全く異常が見られないにもかかわらず雨漏りをするケースがあります。屋根裏を確認できれば判明する可能性もありますが、それでも全く分からない場合もあります。

雨漏りの原因として可能性が高い部位を想定できれば、そこを可能性の高い順に対策を打ちます。それでも雨漏りが止まらない場合や全く原因が想定できない場合は、部分的にでも屋根材を解体するしかありません。解体して原因が分かればそこを修理しますが、経年により同じ状況が他の場所にも起こりえる場合は、葺き替え工事をおすすめします。